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明日より、市川菜緒子 漆展です。
左の器は「乾漆」といって、中まで漆でできています。 通常は木の生地に漆を塗っていくのですが、これは布や和紙にしみこませた漆を型に重ねて作ります。 だから、自由な形を作れる反面、厚みを出すのがとても大変。 乾いてはのせ、のせては乾かし。 スプーンも漆。 漆は天然の塗料なので、口元に当たる感じがとてもソフト。 金物のスプーンと違って、味に雑味が出ないのが良い。 それでもって、この写真では分かりづらいのですが、この赤がとても素敵な赤。 実物はもっと血の色のような、妖艶な色。 実はこの漆は、年月が経つごとに色が変わっていくのだそうです。 他の写真に写っている漆と同じそうなのですが、以前に作って寝かせていた作品なので、色が少し明るくなってとても奇麗。 漆は使えば使うほど、表面の艶が出て、変化があるのが面白いですね。 漆の原料が高くなって、どうしても値段が高いイメージがありますが、本当は漆は昔は雑器だったことを考えても、もっと気軽に生活の中で使ってほしいと思わざるを得ません。 市川菜緒子 漆展 6/12(土)~6/18(金) 漆の作家さんのところで修行している市川さん。 初の個展となります。 きりりとした漆ならではの天然塗料は、 軽さの中に伝統の重みを感じることが出来ます。 漆は欠けてもまたそこを漆で直し 、ずっと生活の中で使える物です。 お気に入りのものを是非見つけていただければと思います。
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